
iPadで外付けUSBメモリ・SDカードが認識しない時の詳しい対処法
外付けドライブがiPadで認識されない原因は色々あります。ここでは「まず試す短時間チェックリスト」→「原因別の詳細対処」→「再フォーマットや電源の具体手順」→「最後の手段・注意点」の順に、実務で役立つ順にまとめます。
まず1〜2分で試す簡単チェック(クイックチェック)
- Files(ファイル)アプリを開き、Browse → Locationsに外部ドライブ/カードが表示されるか確認。
- 別のケーブル/別のアダプタで試す(安いハブやケーブルは相性問題が起きやすい)。
- 外付けHDDなら「セルフパワー(外部電源)」が必要か確認。iPadからの給電だけでは動かない場合が多い。
- iPadを再起動(強制再起動)して、アダプタを接続した状態でもう一度試す。
- そのUSBメモリ/SDカードをPCまたはMacに挿して「認識するか」「ファイルが見えるか」「エラーが出るか」を確認(ドライブ故障の切り分け)。
重要ポイント:iPadはFilesアプリで外部ストレージを扱えますが、ドライブは1つのデータパーティションであることや対応ファイルシステムの条件があります。以下で詳しく説明します。
よくある原因と具体対処法(優先順位順)
1) 電源不足(特に回転式HDDや一部SSD)
症状:接続するとすぐに外れる、Filesで認識しない、ドライブが発熱するなど。
対処:
- 外付けHDDは外部電源(ACアダプタ)がほぼ必須。USBメモリや小型SSDはバスパワーで動くことが多いが、HDDだとiPadの給電だけでは足りない。
- Lightning端子のiPadの場合は「Lightning to USB 3 Camera Adapter」を使い、アダプタ側のLightningポートに充電器を差して給電する方法が安定する。
- USB-C搭載iPadは、PD給電対応のセルフパワーUSBハブを使うと安定する。
2) フォーマット・パーティションの不適合(最も多い原因の一つ)
症状:ドライブが認識されない、または読み書きできない。
ポイント:iPadがサポートするフォーマットの代表は APFS・HFS+(Mac)・exFAT・FAT32・FAT。また、ドライブは単一パーティションである必要があることが多いです(複数パーティションだと認識されないことがあります)。
対処:
- 用途に応じて再フォーマット(※データ消失に注意)。
- 選択例:
- Macのみで使う → APFS(SSD向け)
- MacとWindowsで共有 → exFAT(汎用)
- 古い機器との互換性重視 → FAT32
- 再フォーマットは必ずバックアップを取った上で、MacのDisk UtilityやWindowsのディスク管理で行う。
3) 暗号化・専用ソフトによるロック
症状:接続時にパスワード要求が出る、全く読めない。
対処:APFS暗号化はiPadでパスワード入力してアンロックできる場合がありますが、メーカー独自の暗号化や専用ユーティリティ領域がある場合はPC/Macで解除する必要があります。
4) アダプタ/カードリーダーの相性・故障
症状:別のiPadやPCでも同じアダプタで認識しない、別アダプタで動く。
対処:
- 別の純正または評価の高いカードリーダーやケーブルで試す。安価な製品は相性問題が出やすい。
- Lightning→USB変換では「Lightning to USB 3 Camera Adapter(給電可能)」が安定するケースが多い。
5) iPad側のソフトウェア(iPadOS)の問題
症状:以前は使えていたがOSアップデート後に使えなくなった。
対処:
- iPadOSを最新版にアップデート(設定 → 一般 → ソフトウェア・アップデート)。
- iPadを再起動、改善しない場合はバックアップを取りリセットを検討。
- iPadOSのバージョンによってFilesの外部ドライブ機能は増えているので、最新版での確認が有効。
具体的な手順(症状に合わせた順序)
A. 「表示されない/認識しない」時の手順
- Filesアプリの Locations を確認。表示されればタップして中身を確認。
- iPadを再起動(強制再起動を含む)。アダプタを接続したまま再起動することも試す。
- 別のケーブル・別のアダプタで試す。SDカードなら別のカードリーダーを試す。
- 外付けHDDなら外部電源(またはPD給電ハブ)を接続する。Lightning端子のiPadは給電付きのカメラアダプタを使用。
- PC/Macで接続してドライブ自体の状態(認識・ファイル破損)を確認。PCでも認識しない場合はドライブ故障の可能性が高い。
B. ドライブは見えるがファイルが空、読み込み不可、書き込み不可の場合
- ドライブのファイルシステムを確認(MacのDisk UtilityやWindowsのプロパティ)。
- NTFSなど読み書き制限のあるフォーマットなら、exFATに再フォーマットすることを検討。
- MacのDisk Utilityで「First Aid(修復)」を実行して問題がないか確認。
Mac / Windows での再フォーマット(要バックアップ)
注意:フォーマットするとデータは消えます。必ずバックアップを取ってから実行してください。
Mac(Disk Utility)
- Finder → アプリケーション → ユーティリティ → Disk Utility を開く。
- 左サイドバーで外付けドライブを選択(「Show All Devices」で物理ディスクを表示)。
- 「Erase(消去)」をクリック。名前・フォーマット(APFS / exFAT / MS-DOS (FAT))・Scheme(GUID Partition Map)を選ぶ。
- 消去を実行 → 完了後にiPadで確認。
Windows(ディスクの管理)
- 「ディスクの管理」を開く(スタート → diskmgmt.msc)。
- 該当ディスクを右クリック → ボリュームの削除(必要なら)→ 新しいシンプルボリューム作成。
- ファイルシステムで exFAT を選択(クロスプラットフォーム互換性確保のため)。
- 形式化後にiPadで接続して動作確認。
よくある落とし穴・注意点
- 複数パーティションのドライブはiPadで無視されるか認識しないことがある(可能なら1パーティションにする)。
- NTFS+特殊フォーマット(メーカーのユーティリティ領域など)はiPad未対応のことがある。
- メーカー独自のハードウェア暗号(例:Seagate Secure 等)はiPadで未対応の場合が多く、PC/Macで解除する必要がある。
- iPadOSのバージョンによってFilesの機能や互換性が変わるため、可能であれば最新版で確認する。
まとめ(推奨手順)
- 別ケーブル・別アダプタ・別PCでドライブ確認。
- HDDなら外部電源(または給電付きハブ/Lightning用アダプタ)を用意。
- フォーマットがNTFS等なら exFAT(または用途に応じてAPFS)へ再フォーマット(バックアップ必須)。
- 暗号や独自保護があればPC/Macで解除。
- iPadOSを最新版にして再確認。
さらに詳しい手順が必要な場合(例)
以下の情報を教えていただければ、さらに具体的な手順(図入り接続図・コマンドやスクリーンショット手順)を作ります:
- iPadの型番(例:iPad Pro 11-inch (M4, 2024) 等)
- 接続方法(Lightning / USB-C、使っているアダプタ名)
- 外付けドライブの種類(USBメモリ/USB SSD/ポータブルHDD/SDカード)とメーカー/型番
- どのステップでつまずいたか(Filesに出ない/出るけど空/接続直後に落ちる など)