
PDFに直接書き込みたい — iPad優先で詳しく解説
この記事は「PDFに直接書き込みたい」ユーザー向けに、すぐ使える最短手順(iPad)、アプリ別の詳細手順、上級者向けの注意点(赤字/フラット化/OCRなど)、目的別おすすめワークフローの順で分かりやすくまとめています。必要な箇所だけお使いください。
✅ まず最短:iPadで1分でPDFに手書きする(Apple Pencil または指)
- Filesアプリを開く → 対象のPDFをタップしてプレビュー表示。
- 右上のマークアップ(ペンのアイコン)をタップ。出ない場合は共有ボタン → マークアップを選ぶ。
- ツールバーでペン/蛍光ペン/消しゴム/テキスト(T)/署名を選んで書き込む。Apple Pencilならそのままスラスラ書けます。
- 終了したら完了をタップ → 変更はファイルに保存されます。
コツ:手書き→テキストに変えたい場合は、テキストツールで入力するか、Scribble対応のフィールドなら自動で変換されます。
📚 アプリ別:具体的な手順とポイント
A. iPad / iPhone(組み込みツール)
Files の Markup(無料・手早く注釈)
- 開く → マークアップ → ペンで書く/Tで文字/+で署名や図形。
- 保存は自動。簡単な注釈・署名・ハイライトに最適。
Apple Books
- PDFをBooksで開く → マークアップを使う → ライブラリに保存。読書と注釈を同じ管理下で行える。
B. iPad向け:ノート系(手書き重視)
GoodNotes / Notability
- PDFを「インポート」 → 紙のノート感覚で書き込み。ページ管理や手書き検索(アプリ依存)も可能。
- 出力は「PDF書き出し」で注釈を反映(フラット化オプションあり)。
C. iPad / マルチプラットフォーム:PDF編集重視
PDF Expert(Readdle)
- 注釈・テキスト編集・フォーム入力が強力。OCRや高度な編集は有料機能のことが多い。
Adobe Acrobat Reader(モバイル/デスクトップ)
- 注釈・ハイライト・署名は無料。本文の直接編集・OCR・レダクション等はAcrobat Pro(有料)が必要。
D. Windows / Android
Microsoft Edge(Windows)
- PDFをEdgeで開く → ペンで書く/ハイライト → 保存。手軽に使える。
Xodo(無料・Android/Windows)
- 注釈・テキスト追加・署名が可能。クラウド連携にも対応。
E. macOS
Preview(プレビュー)
- PDFを開く → 「マークアップツールバーを表示」 → 注釈や署名 → 保存。軽くて高速。
✍️ 署名/フォーム入力/編集の違い(重要)
- 注釈(Annotations):手書き、ハイライト、テキストボックス。誰でも可能。
- フォーム入力:PDF内のフォームフィールドに入力。フォームでないならテキスト注釈で代替。
- 本文の編集:元テキストを修正するにはAcrobat ProやPDF Expertの有料機能が必要。注釈では元テキストは変わらない。
- 署名:描いた署名は「見た目の署名」。法的な電子署名(証明書付き)はAdobe SignやDocuSign等のサービスを使う。
🔒 赤字(個人情報の抹消/レダクション)についての注意
黒で塗りつぶすだけでは元データやメタデータが残る場合があります。安全に消すには以下を推奨します。
- Adobe Acrobat Pro のRedact(レダクト)機能でマーク → 適用 → 保存。
- レダクション機能がない環境では、元ファイルから該当テキストを削除して再PDF化するか、信頼できる専用ツールを使う。
📦 注釈を確定(フラット化)して渡す方法
注釈を編集不可にして渡したい場合は「フラット化」を行います。方法の一例(iOS)は次の通りです。
- 注釈済みPDFを開く → 共有 → プリント を選択。
- プリントプレビューでピンチアウト(拡大) → 新しいPDFプレビューが開き、この段階で注釈はフラット化されます。
- 共有→ ファイルに保存 等で保存。
多くのアプリ(GoodNotes, PDF Expert, Acrobat等)にはエクスポート時に「注釈を埋め込む/フラット化」オプションがあります。
🔍 スキャンPDF(画像PDF)をテキスト化したい(OCR)
スキャンしたPDFは画像扱いなので、検索やテキスト編集にはOCR(文字認識)が必要です。
- 代表的なOCRサービス/ソフト:Adobe Acrobat Pro(有料)、ABBYY FineReader、スマホのOCRアプリや各種オンラインOCR。
- OCR後は誤認識が起きるので必ず校正してください。
🛠 PDFのテキストを編集したい(注釈ではなく本文修正)
- Acrobat Pro や PDF Expert のような本格編集ソフトを使用。
- あるいは PDF → Word に変換して編集 → 再度PDF化。ただしレイアウトが崩れる可能性あり。
🧰 目的別おすすめアプリ(簡潔)
- 手早くメモ/署名:iPadのFiles(Markup)、Preview(Mac)
- 手書きノート感覚で注釈:GoodNotes、Notability
- 本格編集(テキスト編集・OCR・レダクション):Adobe Acrobat Pro、PDF Expert(有料機能)
- 無料かつクロスプラットフォーム:Xodo、Edge(Windows)
- 共同編集/教育向け注釈:Kami、DocHub(オンライン)
よくある疑問(Q&A)
Q. 注釈が相手に見えない/消える
A. アプリ間で注釈方式の互換性がない場合があります。相手に渡す前にフラット化して確認するのが確実です。
Q. 書き込みが保存されない
A. アプリの保存権限やクラウド同期の競合が原因。ローカルに一度保存してからアップロード/同期を試してください。
Q. Apple Pencil が反応しない
A. Bluetooth接続、バッテリー、別アプリでの動作確認、iPadの再起動を試してみてください。
⚠️ 注意点とベストプラクティス(まとめ)
- 編集前に必ず元ファイルのバックアップを残す。
- 共有するPDFはフラット化またはパスワード保護して誤編集や情報漏洩を防ぐ。
- 個人情報を消す場合は必ずレダクションツールを使用する(黒塗りだけは不可)。
- 書き込み→受け渡しの互換性を重視するならPDFとしてエクスポート/フラット化を習慣にする。
- 頻繁に編集するなら有料アプリを検討すると時間短縮&安定性向上に繋がります。
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