「壊れた…?」と諦めるのは早い!PCが起動しない時に9割が復活する「放電」のやり方
「昨日までは普通に使えていたのに、今日急に電源が入らなくなった!」
「電源ボタンを押しても、ランプがつくだけで画面が真っ暗……」
仕事やレポートの提出前にこんなことが起きると、本当に焦りますよね。「修理代いくらかかるんだろう」「データは無事かな」と不安でいっぱいになると思います。
でも、ちょっと待ってください。
その症状、まだ故障と決まったわけではありません。
実は、パソコン修理の現場でも、ある「たった5分の作業」をするだけで、約8〜9割のパソコンがその場で復活することをご存知でしょうか?
この記事では、道具不要・0円で今すぐできる、パソコン復活の裏ワザ「放電(ほうでん)」のやり方を解説します。修理店に電話する前に、まずはこれを試してください!
そもそもなぜ?パソコンが起動しない最大の原因は「帯電」
結論から言うと、パソコンが起動しない原因の多くは「パソコン内部に不要な電気が溜まりすぎている(=帯電)」ことです。
人間が冬場にドアノブを触って「ビリッ」となる静電気と同じように、パソコンも長時間コンセントに繋ぎっぱなしにしていると、内部の回路に余分な電気が溜まってしまいます。
これがまるで「電気の便秘」のような状態になり、新しい電気がうまく流れず、結果として「電源ボタンを押しても反応しない」「起動に失敗する」という誤作動を引き起こすのです。
この不要な電気を外に逃がしてやる作業を「放電処置」と言います。
【図解】誰でも5分!パソコンを復活させる「放電」の完全手順
それでは、具体的な手順を解説します。とても簡単です。

手順1:パソコンを完全にシャットダウンする
電源が入っている(ランプがついている)場合は、電源が切れるまでボタンを長押しして、強制終了してください。
手順2:すべてのケーブル・周辺機器を外す【重要】
ここが一番重要です。以下のものを「すべて」パソコンから引っこ抜いてください。
- 電源ケーブル(ACアダプタ)
- マウス・キーボード
- USBメモリ・外付けHDD
- プリンターのケーブル
- イヤホン・ヘッドホン
- SDカード・ディスク類
「パソコン本体だけ」の状態にします。
※ノートパソコンでバッテリーが簡単に取り外せるタイプの場合は、バッテリーも外してください。
手順3:そのまま1分〜5分ほど放置する
ケーブルを全て抜いた状態で、少し放置します。
この間に、内部に溜まっていた不要な電気が自然に抜けていきます。
- 目安: 最低1分、できれば5分〜10分
【バッテリーが外せない機種の場合】
最近の薄型ノートPCなどバッテリーが内蔵されているタイプは、機種によって「電源ボタンを15秒以上長押しする」などの操作で強制的に放電リセットがかかるものがあります。5分放置してもダメな場合は試してみてください。
手順4:電源ケーブルだけを繋いで起動する
時間が経ったら、マウスやUSBメモリは外したまま、「電源ケーブル(ACアダプタ)だけ」を繋いで、電源ボタンを押してみてください。
どうでしょうか?
これでメーカーのロゴが出て、Windowsが起動すれば「放電成功」です!
それでも直らない場合に試すべき2つのチェック
放電を試しても起動しない場合、故障と判断する前にあと2つだけ確認してください。
1. 「高速スタートアップ」の不具合を疑う
Windowsの機能である「高速スタートアップ」が悪さをして、起動に失敗している可能性があります。
もし「電源ランプはつくけど画面が出ない」などの場合は、一度リセットしてみましょう。
- 対処法: キーボードの「Shiftキー」を押しながら「シャットダウン」(または電源ボタン長押し)を行い、再度電源を入れてみてください。これで「完全シャットダウン」になり、クリーンな状態で起動できます。
2. 液晶モニターの故障ではないか?
よーく耳を澄ましてみてください。パソコンの中から「ブォーン」というファンの音や、起動音はしていませんか?
もし音がしているのに画面が真っ暗なら、パソコン本体ではなく「画面(液晶)の故障」の可能性があります。この場合、中のデータは無事である可能性が高いです。テレビや別のモニターにHDMIケーブルで繋げば、画面が映るかもしれません。
まとめ:異音がしたらプロへ相談を
今回の「放電」を試しても全く反応がない、あるいはパソコンから「カチカチ」「ジー」といった異音や焦げ臭いにおいがする場合は、内部パーツ(ハードディスクやマザーボード)が物理的に故障している可能性が高いです。
この状態で無理に何度も電源を入れると、データが完全に消えてしまう恐れがあります。これ以上の自力復旧は諦め、メーカーや修理業者に相談することをおすすめします。
しかし、多くの「起動しないトラブル」は、今回紹介した放電でケロッと直ることがほとんどです。
「壊れた!」と焦って修理に出す前に、まずは落ち着いてコンセントを抜き、パソコンを休ませてあげてくださいね。