
古いiPadから新しいiPadへデータ移行する方法(詳細+トラブル対策)
古いiPadから新しいiPadへ安全にデータ移行する手順と、よくあるトラブルと対処法をできるだけ詳しくまとめました。移行前チェック、代表的な移行方法(Quick Start、iCloud、パソコン経由)と個別データの注意点、移行後の作業まで網羅しています。
移行前チェック(作業前に必ず)
- Apple ID とパスワードを確認。二要素認証(2FA)の受信用に電話番号や別デバイスを確保。
- 古い・新しいiPadともに十分に充電。可能なら電源につないだまま作業。
- Wi-Fiが安定しているか確認(大量データ時は有線/高速回線が望ましい)。
- 両方のiPadを最新のiPadOSに更新(互換性のため重要)。
- iCloudの空き容量をチェック(設定 → [ユーザ名] → iCloud)。足りなければ不要データ削除かストレージ追加。
- 重要データは念のため別途バックアップ(PCにコピー、外付けへエクスポート等)。
- Apple PencilやBluetooth機器は再ペアリングが必要になることを理解。
- 旧iPadを初期化する前に、新しいiPadでデータが正しく移っているか必ず確認すること(消えると戻せません)。
方法 A — Quick Start(iPad同士の直接転送:一番ラク)
前提:両方のiPadが近くにあり、Bluetooth/Wi-Fiが使える状態で、Quick StartをサポートするiPadOSであること。
手順(要約)
- 新しいiPadの電源を入れ、言語・国を選ぶと「Quick Start(このiPadを設定)」画面が出る。
- 古いiPadを近づけると「新しいiPadの設定を続けますか?」が出る → Apple ID確認 → 続けるをタップ。
- 新しいiPadに表示されるアニメーションを、古いiPadのカメラで読み取る。
- 古いiPadのロック解除パスコードを新しいiPadに入力。
- 「デバイスから直接転送」または「iCloudから復元」を選択 → 直接転送を選ぶとワイヤレスで丸ごと移行(アプリ・設定含む)。
- 画面の指示に従い、完了まで待つ(電源接続と近接を維持)。
Quick Startでのよくあるトラブルと対策
- アニメーションが表示されない/接続されない:Bluetoothをオン、両デバイスをWi-Fiに接続、両方再起動、ケースを外して近づける。
- 転送が遅い・停止する:両方を充電器に接続、Wi-Fi強度を確認。改善しない場合はiCloudバックアップかPC経由に切替。
- 「新しいiPadOSが必要」と表示される:新しいiPadをアップデートしてから再試行。
- 一部データが欠落:iCloud Photos や Messages in iCloud が有効か確認。オフの場合はバックアップに含まれているか確認。
方法 B — iCloudバックアップから復元(無線)
前提:iCloudに十分な空きがあること。古いiPadのバックアップが最新であること。
古いiPad:バックアップ作成
- 設定 → [ユーザ名] → iCloud → iCloudバックアップ → 「今すぐバックアップ」をタップ。
- 完了したら「最後のバックアップ日時」を確認。
新しいiPad:復元
- 新しいiPadを初期セットアップ(もしくは設定→一般→転送またはiPadをリセット→すべてのコンテンツと設定を消去)し、再起動。
- 「Appとデータ」画面で「iCloudバックアップから復元」を選択 → Apple IDでサインイン → 復元したいバックアップを選ぶ。
- 復元完了後、アプリは自動で再ダウンロードされる(Wi-Fi必須)。
iCloudでのトラブルと対策
- バックアップが作れない/途中で止まる:iCloudの空き容量不足、Wi-Fi不安定、電源に接続していない。不要データや古いバックアップを削除して空きを作る。
- 復元用バックアップが表示されない:同じApple IDであるか確認。古い端末でバックアップが正常に完了しているか確認。
- アプリが「待機中」のまま:App StoreのApple IDを確認、Wi-Fiを安定させる。必要ならダウンロードをキャンセルして手動で再ダウンロード。
- 写真が足りない:iCloud Photosを使っている場合は同期に時間がかかる。iCloud Photosを使っていない場合はバックアップに含まれているか確認。
方法 C — パソコン(Finder / iTunes)でバックアップ→復元(確実)
メリット:ネット環境に依存せず大容量データや「パスワード/ヘルスデータ」を確実に移せる。暗号化バックアップを推奨。
手順(要点)
- 古いiPadをPCに接続(Mac:Finder / Windows:iTunes)。端末側で「このコンピュータを信頼」を許可。
- Finder/iTunesでデバイスを選択 → 「今すぐバックアップ」。「ローカルバックアップを暗号化」にチェックするとパスワードやヘルスデータも保存。
- バックアップ完了後、新しいiPadをPCに接続 → 「バックアップを復元」を選択し、先ほどのバックアップを指定(暗号化ならパスワード入力)。
PC経由でのトラブルと対策
- iPadが認識されない:ケーブル交換、別のUSBポート、iTunes/Finderを最新版に、iPad再起動。
- バックアップに失敗(ディスク不足):PCの空き容量を増やす。必要なら外付けにバックアップ。
- 暗号化バックアップのパスワードを忘れた:復元不可。新しい暗号化バックアップを作り直す必要がある(注意)。
- 「このバックアップは新しいOSで作成」のエラー:新しいiPadのiPadOSをアップデートしてから復元。
個別データについての注意点
- 写真:iCloud Photosを利用中ならiCloud上で同期。使っていない場合はバックアップに含まれる/含まれないを確認。
- メッセージ(iMessage / SMS):Messages in iCloudを有効にしていれば同期。無効ならバックアップに含まれる。
- パスワード(キーチェーン):iCloud Keychainで同期。ローカルで移す場合は暗号化バックアップが必要。
- Health / HomeKit:暗号化バックアップかiCloudで保存可能。暗号化しないローカルバックアップには含まれない場合あり。
- アプリ内データ:アプリによってはサーバー保存(同期)かローカルのみかがある。重要ならアプリ内のエクスポートを行う。
移行後にやること(旧iPadを渡す/売る前に)
- 新しいiPadでデータが正しく移っているか確認(連絡先・写真・メール・カレンダー・メモ・重要アプリのデータ)。
- 設定 → [ユーザ名] → サインアウトし、Find My(iPadを探す)をオフにする(初期化前に必須)。
- 設定 → 一般 → 転送またはiPadをリセット → すべてのコンテンツと設定を消去で初期化。
- セルラーモデルならSIMを抜く。eSIM利用中はキャリア手続きを行う。
- Apple Pencil・Bluetooth機器は新しいiPadで再ペアリング。
よくあるエラー文言と即効の対処(短く)
- 「バックアップが見つかりません」:Apple ID確認/古い端末でバックアップ作成→日時確認。
- 「復元中に止まる」:Wi-Fi不安定 → PC経由に切替/両端を充電して待つ(復元は長時間かかる場合あり)。
- 「アプリがダウンロードできない」:App Storeの購入アカウントが異なる/アプリが削除済み。購入済みから手動で再ダウンロード。
- 「このiPadはアクティベートできません」:Activation LockやAppleのサーバ接続問題。Wi-Fi確認、旧iPadでFind Myをオフにするか iCloud.com で解除。
- 「暗号化バックアップのパスワードを忘れた」:復元不可。新しいバックアップを作り直す必要あり。
最終リスクと最終手段
バックアップが全部ない/壊れている場合、失われたデータは復旧が難しいことがあります(特にローカル保存のアプリデータ)。可能ならAppleサポートや正規サービスプロバイダに相談してください。問い合わせ時は以下を用意すると早いです:
- Apple ID
- iPadのシリアル番号
- バックアップ日時
- 発生したエラーメッセージのスクリーンショット
ちょっとしたコツ(役立ちワンポイント)
- 大容量データが多いなら、まずPCで暗号化バックアップ→復元が速く確実。
- ワイヤレスで止まる場合はケーブル接続(PC経由)を試すと成功率が上がる。
- バックアップ前に不要アプリや大きな動画をオフロードすると復元が速くなる。
- 重要なパスワードはiCloud Keychainをオンにしておくと移行後も楽。
—
必要であれば、あなたのiPadのモデル名(例:iPad Air 第4世代)と現在のiPadOSバージョンを教えてください。機種に合わせた短いチェックリスト版や印刷用チェックリスト(HTML/テキスト)を作ります。
[…] 旧iPadから新iPadへデータ移行する方法 […]